ルールを守る

運用保守SEは多種多様な作業がありますが、そのほとんどがオペレーションミスによりお客様の業務に様々な影響を与えてしまうものばかり。クリティカルなものになると業務サービス停止にまで直結したりなんてことも。人的要因によるオペレーションミスをできるだけゼロに近づけるため、事前の十分な検証やダブルチェック作業、手順書を整備することは対策のひとつとしてとても大切です。

ところが、日々多忙な業務の中お客様から至急対応を求められると、ワンオペレーションや手順書を確認せずにノウハウのみの作業が常態化しいずれインシデントにつながったりします。インシデント発生時に運用ルール違反が浮き彫りになりダブルでお叱りを受けることのないようルールはしっかり守りましょう。大抵の場合ルール違反が発生するとルールは更に厳格化し人員交代など工数が増大します。
今回は運用ツールのひとつとしての手順書の役割についてお話したいと思います。

手順書の役割

手順書の大きな役割として「明瞭化」の他に、「標準化」の効果があります。
「明瞭化」…不明なところがないようにはっきりすること
「標準化」…事柄の単純化、秩序化、統一化
手順を明瞭化することで作業がはっきりし、標準化によって作業の差異は解消され作業内容が統一されるようになります。
例えばお客様から

「特定のWebサイトのアクセスをブロックしてほしい。」

というWebアクセス拒否設定作業一つにおいても、

作業者Aさんは「プロキシサーバに該当WebサイトのURLを指定してブロック」
作業者Bさんは「プロキシサーバに該当WebサイトのIPを指定してブロック」

と作業者のノウハウによって対応に差異が生まれてきます。
上記は極端な例ですが、そんなことがないように手順を明瞭化(はっきり)し標準化(統一)することが手順書の大きな役割です。
また手順書があることで一部の作業者にしか対応できなかったものが他者にも共有され対応できるようになります(共有化)。一個人への業務の一極集中化を防ぐことで別作業の対応や休暇が取りやすくなったりと業務環境改善につながりますし、業務引継ぎもスムーズに行えたりします。

手順書の罠

ただし手順書の使い方には注意すべき点もあります。
ひとつめは手順の意味を理解しないまま淡々と作業してしまうケース。内容を理解していないのでイレギュラーが発生した際の対応も難しくなります。手順書にコマンドが記載されているのであれば何をしているのか、機器再起動の順番が指定されているのはなぜなのかなど、日頃から調べたり不明な点は経験者に確認してみるクセをつけるとよいと思います。
ふたつめは定期的な見直しです。作業対象のバージョンアップや設定変更があった際は手順書の見直しを合わせて行うと理想ですが、よく後回しにしたまま放置されがち。結果障害発生時に手順が古くて使えないなんてこともありますのでお気を付けください。

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「ルールを守る」、「作業内容を理解する」、「不明点は調べる、聞く」、「共有する」
ほとんどの方が当たり前にできていることと思いますが今回改めてお話させていただきました。

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